[本文より]イギリス英語は,前回に述べた「移住者植民地」とはまた別なルートで,アフリカの東部と西部,南アジア,東南アジアの各地へと伝播していった。そのうちまず南アジアのインドの場合を取り上げてみよう。
インドでは,ほぼ3,700万人の人々が日常生活に不自由なく英語を使いこなせるという。これはアメリカ,イギリスに次ぐ数字である。さらに,2億の人々がある程度英語の知識をそなえているそうである。これはイギリスとインドとの特殊な歴史的関係を物語る数字といってよい。
山形大学名誉教授 金山等