[本文より]英語学習におけるインターネットの魅力は英語で生の情報を得,また発信することができるところにある。しかし英語のニュースグループに参加することはそれほどたやすいことではない。それは英語を速く読んだり書いたりする能力の問題だけではなく,ネット上でしばしば見られる挑発的な発言や個人攻撃などに対する免疫力を必要とするところにある。ましてや相手は異なる文化を持つ人間の場合も多く,その相手に対し,英語で自分の主張を述べることは日本人にとっては,ある意味で二重の困難さがある。日本語でも主張を述べることがあまりないという風土(変わりつつあるというもののやはり欧米の人間に比べると慣れていないと言わざるを得ない)に加え,外国語である英語でそれを行わなければならないということである。しかし,見方を変えれば非常によい訓練になる可能性もある。「生きてゆく力」を国際的なスケールで練習する場とも成りうるからである。
亜細亜大学助教授 千波玲子