【本文より】 日本発の宇宙線研究は目下世界の最前線にあり,素粒子論やハッブル望遠鏡の観察などと結合して宇宙研究の最先端を開拓している。神岡鉱山の地下にあるカミオカンデのニュートリノ観察は有名であるが,これは高校生諸君には手の届かない専門家の仕事である。しかし,よくしたもので,宇宙は君たちに素晴らしい宇宙研究参加の機械を与えてくれている。しかも,同じ仕掛けで同時に2つもの大きなテーマにチャレンジできるのだから,流星雨を観察する以上の興奮を君たちに齎すであろうと思われる。
東京大学名誉教授 海野和三郎