【本文より】平成15-18年度から新しい教育課程がはじまる。理科では科学史で理科を学ばせる「理科基礎」(2単位)と,中学理科の第一分野,第二分野を発展させたような理科総合A及びB(いずれも2単位)が新しく登場する。「理科基礎」については,日頃科学史の教材としての大切さを感じている私にとっては大歓迎の科目である。しかし,ここは率直に書かしていただく。いま私は,2つの意味で,新科目「理科基礎」がどれほど履修されるのだろうかという,不安がある。1つめは,科学史を教材に理科を教えるのは不安だからまずは無難に「理科総合」を選んでおこう,という履修がありはしないかということである。大学入試での扱いや教科書の詳細は不明である。授業担当者も,人的事情から,容易には決めにられない場合もあるだろう。こういうときは,これまでに授業経験のない科学史などに手を出したくないと誰しも思うのではなかろうか。
栃木県立栃木高等学校 川島基巳