フリッツ ウェント(Fritz Went)
東京書籍作成
オランダ,1903-?
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
フリッツ・ウェントは1903年5月18日,有名な植物生理学者F.C.A.C.ウェントの息子として生まれた。父親の自宅と研究室がオランダのユトレヒト州立大学の植物園内にあったため,子供のころから植物園内を散策し,植物や昆虫を採集するとともに,父親の研究室で,その当時の最新式の機械であったクリノスタット(重力を均一に水平方向から与える機械),成長計,顕微鏡,実験暗室などと親しんでいた。父親は決して息子に植物学者になれとは強制しなかったが,息子のウェントは高等学校の先生の影響でしだいに植物学に興味を覚えるようになり,ハエトリソウの捕虫機構やサボテンなど,砂漠植物に興味のまなざしを注いでいた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司