[ICT特集]物理教育充実のためのICT利用と活用
ニュ-サポ-ト高校理科Vol.8(2007年秋号)
[本文より]
近年,学習に対する生徒の意識は大きく変化してきている。国際的な調査(PISA,TIMSS 等)においても,授業を受ける姿勢はよいが,学ぶ意欲や学習習慣において課題が残る結果となっている。また,「科学的に解釈する力の育成」や「日常生活に見られる自然事象と理科の学習内容の関連を図った指導の充実」が求められている。また,現在使用されている教科書はビジュアル・カラ-化しており,視覚的に物理現象を理解させることに基づいた構成となっている。この傾向は生徒の読解力低下や実体験の少なさからもきている。そのため,従来の黒板での授業スタイルだけでは,事象の理解を深め,学習意欲を引き出し,学力を向上させることは難しくなってきている。近年のユビキタスネット社会の実現に向けて,大きな動きがあり,物理教育においても,ICT の利用・活用を如何に進めていくかが上記の改善策になるものと思われる。
北海道札幌厚別高等学校 松田素寛