【本文より】 エッセイ1を読んでいただいた方はおかかりのことと思うが,私は理数学力の低下に問題を感じ何かにつけ,著書や雑誌のエッセイなどで学力低下,いや学力崩壊を訴えつづけている。
私がいろいろな場で数学力に限らず,子どもたちの学力低下についての問題提起を続けていると意外なところから「共闘」の申し入れがあった。それは大学の数学者や数学教育者たちからである。講談社から出された『算数軽視が学力を崩壊させる』という本は,その産物とも言えるもので,複雑系経済学の権威の京都大学の西村和雄氏とパリ大学の教授も務めた国際的数学者の慶応大学の戸瀬信之氏との共著となっている。
精神科医,一橋大学経済学部,東北大学医学部非常勤講師 和田秀樹