【本文より】筆者は,これまで,日本の児童・生徒の科学離れを,学校理科の学習項目を利用することにより議論してきた。結果,小学校で理科離れは生じていず,かつ中学校でも,理科離れは生じているとは言い難いが,物理離れは顕著にみらた。これらの研究は,学校理科の学習内容に基づいて行われたという意味で意義があると考えられる。しかし学校理科の断面からのみしか,彼らの科学との関係をみてきていないため,必ずしも日常を生活している青少年の実態を十分反映したものとは言い切れない側面がある。そこで,学校理科の学習内容に縛られることなく,青少年の日常の生活の実態を反映した調査票を作成し,彼らの「科学離れ」の調査を行った。
京都教育大学附属高等学校 川村康文