[序文から]高校の数学では関数について多くのことを学び,関数の変化やグラフ,最大・最小等について学ぶ。しかしその段階で終わっていることが多く,関数の,日常の中での応用や,他の数学の分野への応用等は極端に少ない。また,関数の考えを発展させた変換の考えは,教科書の中にほとんど見られない。ここでは関数の考えに興味を持ち,「関数を使って何かができる!」という認識がもてるような教材を3つ提示する。1つ目は万華鏡について考察し,万華鏡の世界を式で表現する。2つ目はベクトル方程式を少し発展させて,関数を用いて様々な図形を表現する。たとえば,ツリー状につながった何本かの線分も難なく式で表現できる。3つ目は,関数 に対して数列の漸化式 を考え,数列が収束する場合としない場合を検討する。関数の意外な一面が現れる。
栃木県立大田原高等学校 滝沢昌弘