[まえがきより]教育課程に,新たな教科・科目が登場すると,これを実際に授業させようと,いろいろな手かせ足かせが発表される。例えば,「現代社会」や「理科 I」が登場したときには,共通一次試験(現センターテスト)で必修科目となった。ただし,「現代社会」が必修であることは5年間しか続かず,「この科目はマーク試験に馴染まない」という理由で,以後選択科目となっている。
これらの場合と同様に,普通教科「情報」にもいろいろな条件が取り立たされた。しかし,センターテストへの出題から免れたことは,教授内容に制約を受けることがなくなり,科目としての自由度を守れることができて,かえって良かったのではないかと思っている。
教科科目の指導については,平等性や普遍性の重要性が言われる。教科情報は,扱うターゲットが余りにも大きくスタンダードが作れないのではないかと危惧されている。そうは言われるものの,教育においては教師の個性が重要であり,その力量が問われるのは当然のことである。従来からある一般の教科であっても,教える教師の力量や個性によって,生徒の理解度や感じ方は違ってくるものである。
ましてや,自由度がはるかに高い教科情報においては,教師の力量が問われるのは当然のことで,様々なバリエーションに富んだ授業が全国各地で行われることであり,センター試験の内容などに縛られないことは,大変重要なことであると考える。やはり,生徒の感激の一言「あっ。」という叫びが聞こえるような授業ができる教科が情報である。
今年は,新課程1年目の年であり,第1学年において,数学IAと情報をリンクさせて,新たな発見がある,また,より深く理解できる教材を提供することを考えた。
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兵庫県親和中学校・親和女子高等学校 奥村佳則