「考えさせる指導法」を求めて
栃木県立鹿沼高等学校 佛田清隆
[学力低下論について]この2,3年の間,「学力低下」,「学力低下」とヒステリックとも思えるさまざまな声に,日本中が覆われているような気がする。そのような状況の中,高等学校においても,新しい学習指導要領による授業が,平成15年度の一年生から導入された。当然のことながら,この生徒たちは,中学校でも移行措置として,新しい学習指導要領による授業を受けてきている。これらの生徒の「学力低下」が話題となっており,さまざまなメディアがやや過剰とも思える反応をしている。
これらの風評の中で,現在目の前にしている生徒の実情は一体どうなのかという不安を少しだけ感じるようになってきた。そこで,旧課程(平成14年度新入生対象の課程)の最終学年である一年生の数学学習上のさまざまな実態について調査を試みた。具体的には,
(1) 本校で学ぶ生徒の学力をいくつかの方法により調査をし,分析すること
(2) 数学という教科を学習する際に障害になっている要因について調査をすること
(3) 高等学校入学後,大きく飛躍した要因についても調査をすることである。
これらの結果・分析については,筆者の勤務校の研究紀要 にまとめておいたので,そちらを参照してほしい。
一方,平成15年度以降入学してくる生徒たちは,新しい学習指導要領における“生きる力”を持った生徒なのである。この“生きる力”を学力として,有効に使えるような授業展開があってもよいことになる。「考えさせる指導法」が求められるのは,まさにこれからなのである。
2004年1月作成
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栃木県立鹿沼高等学校 佛田清隆