[巻頭言]数学を学ぶ意義
学習院大学理学部教授 飯高茂
ニュー・サポート高校数学Vol.5
東京書籍2006年4月発行
[本文より]
「なぜ数学なんか勉強しなければいけないの,数学なんか無ければいいのに」こんな会話を女学生が車内でしている,と書いたのは,日本数学者の歴史的最高峰:高木貞治博士で戦前のことである。さて,平成になって18年たった今はどうだろう。世の中の進歩にそって,数学は好かれる教科に変身しただろうか。以前と変わらず試験のために堪え忍んで勉強すべきものではないか。否,事態はもっと悪化した。
学習院大学理学部教授 飯高茂