[本文より] 私は,公民科の授業を行う場合,いつも歴史と関連づける方法を採っている。昨年度,私は東京書籍の教科書「倫理」に基づき,副教材は同社の「新総合倫理資料集」,問題集は同社の「倫理学習ノート」を使用して授業を行ったが,内容に即して言うと,倫理は「人はいかにして生きるべきか」をつかむことが最重要であるので,まず,第2章の「哲学と人間」の説明の中で西洋人・東洋人の先達の様々な思想家の一生を詳しく述べた。そのときに,生徒が1年生のときに習った世界史の授業を思い出させるように工夫し,始めに生徒に主にギリシアの思想家とその学説について説明させた。こちらから一方的に説明すると,受け身の授業になってしまうので,生徒一人一人に考えさせることから始めたが,授業が3年生であるので2年前のことはなかなか思い出せなくて,そのぶん苦労していた。クラスが全員外部大学受験のクラスで,大半が日本史受験で勉強していたため,そのぶん世界史の知識があいまいになっていたようである。
千葉県和洋国府台女子高等学校 寺島英明