[本文より]新学習指導要領実施,「総合的な学習の時間」の創設に伴い,国語科の学習活動の充実をどのように図るかが,大きな課題である。中でも「読むこと」の学習については,真に児童の読む力,読書生活の向上に結びつくような学習活動を工夫することが必要になる。
具体的な方策の一つとして,文学教材の取り扱いを工夫することが挙げられる。つまり,これまで内容の細部の読解にこだわったために,また児童の表現活動を促しやすいことから「劇」や「紙芝居」の活動を設定したために,多くの時間をかけてきた文学教材の取り扱いを改善することが必要である。
そのためには,内容を絞って,「読み方」の指導をして,一つの教材にかける時間を短くし,多くの作品に児童がふれる機会をつくることである。そこで,本実践では,中心人物の検討を通して,クライマックスを読み取り,主題に迫る学習活動を提案した。
千葉県八日市場市立中央小学校 藤野直樹