国語の授業の中で,「書くこと」を指導することの意義はどんなところにあるのだろうか。
(1)自分の意見や考えを,相手に分かりやすく伝える力を身につける。
(2)目的に合わせて,効果的な表現ができるようにする。
ともすると,こうした技術的なことがその目的になりがちである。確かにこれらは,社会で生きていくためにはたいへん重要なことである。しかしながら学校での教育が,さまざまな教科や領域の特性を総合して,子どもたちを豊かな人格へと育てていくものだとすれば,「書くこと」の指導の目的も,子どもたちの人格の形成にかかわったものが設定され,その達成に向けた指導の工夫がなされなければならない。その積み重ねこそが,「生きる力」を育てることになるはずである。そうした考えに立って「書くこと」の目的を吟味し,実践を工夫していくことにした。
愛知県葉栗郡木曽川町立木曽川東小学校 有尾幸市