[本文より]私は平成11年4月,初任者研修の指導教官となりました。教職三十有余年の間でも初めてのことで,初任者以上に緊張しています。初任者といっても中島有子さんは,県立高校非常勤講師2年余の経験があり,授業ぷりも落ち着いて堂々としています。国語Iの現代文導入教材として,随想の単元の代わりに,詩の単元から入ることを提案したのも彼女です。「入学したばかりの生徒が国語嫌いにならないように,最初が肝心ですから…。」と笑顔で言う彼女に,私もうなずきます。――彼女を「指導する」などと思っていたら,とんでもないぞ――と,私もひそかに気を引きしめたのでした。
静岡県立掛川東高等学校 水島雅久