[実践報告]小論文の段階的指導
-まずは短論文から-
小崎誠二(奈良県立橿原高等学校)
高校国語ニューサポートVol.3
東京書籍2005年春発行
[本文より]
『あなたは文を書いたことがありますか。』そう問いかけると,ほとんどの人が「ある」と答える。続けて『何を書きましたか。』と尋ねると,「夏休みの宿題だった読書感想文」「入試の小論文」「卒業論文」などが多かった。それらは,どちらかといえば必要に迫られて書かされたものであり,自ら湧き出る思いを綴る「手紙」「日記」「投稿」等のいわゆる創作活動を先にあげる人はほとんどいなかった。そして,その答えの後に続くのが『作文は苦手ですから。』というフレーズである。つまり,「文を書く」「作文する」という言葉には「堅苦しい」「難しい」というイメージが背後霊のようにつきまとっているのだ。それは,私たち学校の教師が作り上げてしまったのだろうか。
奈良県立橿原高等学校 小崎誠二