[本文より]
中学校で最大の式典はやはり卒業式だと思う。3年間あるいは1年間でも学級担任や教科担任をした教師にとって卒業式は感慨もひとしおである。校長とて同じである。その卒業証書授与式は一度ではすまなくなったのである。私は5年間で一度だけ,同じ年に4回の卒業証書授与式を行った。なぜ4回も必要なのか,その理由は次のようなものである。1回目は当然ながら体育館で卒業生,在校生,教職員,卒業生の保護者,そしてPTA役員や地域の皆さんのご参列を得て行う卒業式。2回目は卒業生などが下校したあと校長室で行う不登校生のための卒業証書授与式,そして3回目と4回目は児童自立支援施設などで3月末まで生活していた本校生の卒業証書授与式。日本中どの学校も卒業生全員が一同に会しての卒業式ができる日を願望しているのは担任や校長だけではあるまい。私は生徒達自身がそれを一番待ち望んでいるに違いないと思っている。
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大阪府高槻市立第一中学校・校長 浦岸英雄