体験させて命の重さは分かる
群馬県立ぐんま昆虫の森 園長 矢島 稔
2007年4月発行
作成日:東京書籍2007年4月
中学校「学校経営18」(東研情報)
特集:学校経営の工夫
[本文より]
連日報道される「いじめと自殺」は昔からあったことだが,各地で発生するのは社会情勢と人間どうしの絆の変化があり,特に子どもは誰に訴えればよいかも分からぬまま,耐えきれない孤独感から解放されたいのだろう。長年,動物園にいた私は,いろいろな動物のいじめを見てきた。ネズミにもゾウにもいじめはある。しかし,どの動物も自殺した例を見たことはない。人間は頭脳が発達し,言葉と文字を持ち,特に近年の科学技術の進歩には驚くばかりだ。大人だって分野外のことが分からず,時とともに進歩する日常生活についていくのがやっとなのだから,子どもがどう受け止めてよいのか混乱するのは当然かもしれない。
群馬県立ぐんま昆虫の森 矢島稔