ここ数年の間にケナフは,市民活動・学校教育・企業のイメージアップ戦略等の活発化によって環境に優しい植物として定着してきたと思われていた。しかし最近,を懸念する意見が多く出され,論争が激しさを増している。
学校教育におけるこれまでのケナフを題材とした教育実践は,小学校を中心に行われている。その内容は環境に優しい植物ケナフの,栽培とその生長記録・パルプ化・紙漉・炭づくり等を通した,理科的分野の学習や環境学習である。
ここに掲載する総合的な学習の一例は,平成11年度中学2年生を対象として行ったものである。この学習はケナフの,生態系への悪影響が議論される前のものでケナフは環境保護に役立つ植物という立場で行っている。そのため,環境保護に対するケナフの有効性を学ぶとともに,インタビューを通してケナフを取り巻く人々と社会の構造を捉え,それに対する自分の考えを発表することに主題を置いている。それによって中学生の総合学習に生かせるのではないかと考えたのである。
神奈川大学附属中学校 渡辺真人