平成10年12月14日告示の改訂「中学校学習指導要領」(以下「指導要領」)は,「生きる力」の育成や「各学校の創意工夫を生かした教育の推進」,「体験的な学習の指導」,地域の実情や生徒の興味・関心に基づいて行う「総合的な学習の時間」の創設など,様々な改革・改善点を打ち出している。そして,その中でも本稿の主題である「総合的な学習」の充実は,今次改訂の成否を左右する重要課題である。なぜなら,それは今次改訂の背景にある教育問題解決の主要なカギだからである。
愛知教育大学教授 魚住忠久