[本文より]学生は,読み書きについては集中して受講する。しかし,聞く話すは,緊張度が低い。高等学校で,授業中の発言を相互に,真剣に聞き合ってきているのであろうか。聞きつつ話しつつ思考させなければならない。他者の発言と関連づけて,自分の意見を言う。この聞いたことを生かして発言するのが,苦手である。第一講で,このような聞く話すという音声言語を,思考の貴重な資料とするように場面を設定すれば,以後の受講態度は引き締まったものとなる。また,教師になってから,児童・生徒の発言を的確に教材化するための基本に培うことにもつながる。
佐賀大学教授 白石寿文