技術教育の課題と今後の展望
特集「これからの家庭科,技術・家庭科」
渡邉康夫(茨城県潮来市立牛堀中学校長・前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官)
「教室の窓」小学校家庭・中学校技術・家庭Vol.2(2004年9月発行)
東京書籍2004年9月発行
[本文より]第二次世界大戦後の技術教育は,明治時代に「実業教育」と呼ばれ,戦後「職業教育」や「産業教育」と呼ばれるようになった。その後,産業教育振興法が制定され,広くは産業教育と呼ばれるようになった。一方,職業教育という言葉も残されており,高等学校以下の教育の中では職業教育として教科,科目がなどが位置づけられた。これが後になって大きな混乱を招くことになるのである。この時代は戦後の混乱期であり,経済復興を優先させなければならない。そこで産業教育という考え方が打ち出されることになるが,これは様々な産業に従事するために必要な知識,技能を習得させ,幅広い転移性の形成を目的として行われる教育でる。この教育の成果としてその後の日本はめざましい発展を遂げることになる。
茨城県潮来市立牛堀中学校長・前文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 渡邉康夫