[本文より]私の職場の大学でも一般教養科目の「英語」において習熟度別クラスというのが今年から始まった。4月に入って新入生全員にTOEICを受けさせ,そのスコアーによって3段階でクラス分けをして英語の授業をしようというのである。私は一番下のレベルを担当しているが,どうも学生に元気がない。能力別にすれば,教えるレベルをある一定のレベルに合わせられて効率的だということなのであろう。しかしながら日本という風土にはこのシステムはあまり合わないのではないだろうか。日本人はあまりあからさまに序列化されるのを好まない。習熟度別クラスは学生に劣等感を強く植えつけてしまうような気がする。
山梨大学准教授 古家貴雄