[本文より]アメリカにいたころ,実験室の試験管やメスピペットの多くはディスポーザブル(disposable)=使い捨てであった。測定し終わった試験管は液が入ったまま,ゴミ箱に紙くずなども一緒に捨てていた。ゴミの多くは穴を掘って埋めて捨てるという広大なアメリカ大陸ならではのゴミ処理法だから,分別する必要はなかった。日本の大学ではこんなことは考えられず,何でもかんでも洗っては再利用するのが常であった。毎日バケツいっぱいの試験管を洗わなければならず,洗浄は時間のかかる大変な仕事であった。
佐賀大学文化教育学部 小西史子