Essay 海外便り:補習授業校から見た日本
加藤章三(かとうしょうぞう・米国ニューヨーク補習授業校校長)
小学校・中学校英語-教室の窓No.1(創刊号)
東京書籍2004年3月発行
[本文より]
3年前の冬,筑波で文部科学省の研修を受けましたが,外務省課長の海外での危機管理の講話の中で,オサマ・ビンラディンについての解説があり,漠とした不安を感じながらのニューヨーク赴任となりました。任地であるニューヨークを,その夏までは何不自由なく楽しく満喫していました。しかし,2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以後,世界の様相はすっかり変わってしまいました。マンハッタンを校区に抱えている我が校も,保護者の方が犠牲に遭われるなど,その衝撃は大きいものでした。それから2年半が経ち,アフガニスタンからイラクへと紛争地域は拡大し,ますます混迷の度を深めています。今もここアメリカでは星条旗があちこちにはためき,衝撃をバネにして力強く立ち上がろうとする,プラス思考の国民性を痛感しています。
米国ニューヨーク補習授業校校長 加藤章三