[内容]
他人の授業を見るときに思うことがあります。教師によってですが,あの広い黒板にびっしりと隙間なく書いたり,貼ったりしているのを見ることがあります。そして,びっしり埋め尽くしたものはもったいないというのか,授業終了までそのままの状態にしておく場合があります。生徒はずっと同じ板書事項を見続けさせられます。全く新鮮味はありません。教師は気づかないのかと,見ていて何とかしてくれと思う気持ちになります。板書事項は,それらを利用してオーラルイントロダクションも,発音指導もあるいは文法上の説明などにも利用しますが,役目の済んだものは抹消することも有効な活用の仕方と言えます。理想としては,あの広い板面を,まるで大きなキャンバス上の印象に残る作品のように,空間を生かして文字,ピクチャーなどの位置,チョークの配色などでよく整理して利用したいものです。そして,そのような板面を見るとスカッとします。生徒はノートへの転記なども,自ずからきちんとしたくなるはずです。
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日本橋学館大学 下村勇三郎