[本文より親切でフレンドリーなニュージーランド(以下NZ)人の国民性はよく知られている。英語を母国語としない外国人に対して,なるべく標準的な英語(Received Standard English)を使ってくれるのも,ひとつにはそのやさしい思いやりからであろう。だから,あまり英会話を得意としないひとでも日常の生活でさほど不自由を感じるようなことはない。だが,NZ人同志の会話となると話は別になる。まずそのスピードについていくのもたいへんだが,そればかりではないのだ。前述したNZアクセントのほか,NZ特有の語彙やフレーズ,あるいは口語的表現やスラングの問題があるからである。それはいずれの国でも同じであろうが。
山形大学名誉教授 金山等