現在の中学校の検定教科書の中で,会話教材は1年から3年を通して平均60%以上だと言われています。どの程度正確な数字であるかは別にして,特に低学年ほど会話教材が多くなっていることはすぐ分かります。このことによってどんなことが考えられるでしょうか。会話教材が多いと言うことは,特に低学年の生徒にとって親しみやすく,易しく感じられるからでしょうか。確かに,会話教材と言えば,日頃身近な相手と身近な話題について,親しく語り合う話し言葉になっています。そして,多くは1文ごとに次々と発言者が変わるのでぎっしり詰まった重たい感じとは違います。そんなことから,一般には,易しい,親しみ易い教材と思えるでしょう。
日本橋学館大学 下村勇三郎