[本文より] 最近,英語教育の専門誌を見て,次のような記事に出会い,はっと考えさせられることがあります。
「コミュニケーションという言葉が,単なる『音声を中心とした軽いやりとり』といった程度に理解され,授業ではゲームやお遊び的な活動が中心となってしまったことである。」(新里真男『新学習指導要領のねらい』英語教育,大修館1999年6月号)
「日本的環境の中の『実践的コミュニケーション』とは,決してコミュニケーションの成立のみを目的としたものではない。生徒の自由な発想を尊重しながらも,常にターゲットとした表現に回帰するような教師の誘導が不可欠である。ゲーム的面白さに流されて,本来の言語訓練の場であることを忘れてしまった活動を見ることがあまりにも多いのである。」(高橋正夫『実践的コミュニケーションの展望』英語教育,大修館1999年9月号)
日本橋学館大学 下村勇三郎