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「味のどこでもドアー」

  • 英語
  • エッセイ
公開日:2006年02月06日
「味のどこでもドアー」



[本文より]

お恥ずかしい話しなのですが,私はとってもいやしい人なのであります。私の記憶のほとんどが,食べ物とくっついているのです。で,当然ニューヨークの思い出は,世界中の料理が食べられた事!だったのです。さて,私が住んでいたブロンクスに,イタリア人街がありました。ここは知る人ぞ知る,ニューヨーク中のイタリア人シェフが材料を調達をしにくる本場の味どころなのであります。いわゆる観光客で賑わう『リトルイタリー』は,今では本物はないとの噂。そのブロンクスのイタリア人街,いや正確にはイタリア人御用達の通りは,日用雑貨から始まって魚屋,肉屋,ワイン屋,パン屋,そして手打ちのパスタ屋!となんでもそろってる。でもなぜかレストランがない,という不思議なところでした。寒い季節になると,魚屋が通りに面して生ガキを並べる。題して一皿6個のブロンクス版立ち食い生ガキ。そこにチリソースとレモンをじゅっとしぼって,つるっといただくのだ。その味のたまらないこと!その通りに私のお気に入りの,いつも人でごったがえしたチーズ屋さんがありました。店に東洋人がくることはめったにないようで,やたらじろじろと見られる。おまけに私の注文の発音が悪いのか,何度も聞き返され,あげくの果てに,その場がイタリア語発音教室と化すのです。

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イラストレーター つくし

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