[本文より]私が現在教えている大学生は2クラスで,両方合わせるとその数は約70名になります。そこで,私にとって問題となっているのは,彼ら一人一人の名前を,きちんと覚えて,授業で当てることが至難の業となっているということです。そして,その状況は私には苦痛の極みといって決して大げさではないのです。
学生の名前が覚えられないというのは,私自身の老齢によるものであることは当然ですが,加えて,名前と顔を一致させるのが難しいのです。さらに加えて,中国人の留学生(約2割含まれている)の名前と顔を一致させるのが大変なのです。こんな状態では,私の授業のあり方の信条が保てないのが大変なのです。人によっては,名前なんて,顔なんていいではないかというだろうと思います。「はい次」とか「○○番のひと」で済むではないかと言います。その通りだと思いますが,それが私には出来ないのです。当てるときは,顔と名前を一致させて,本人と目を合わせて,当てなければ気が済まないのです。
日本橋学館大学 下村勇三郎