[本文より]生徒は書くのが苦手だ,うまく書けないなどということはよく聞かれることです。あるいは書かせてみれば,生徒の学力が分かるなどということもよく耳にします。
でも日常の英語の授業で,本当に書かせることをしているのでしょうか。よく授業を見ますが,書かせる指導をしていることは極めて少ないのです。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を見れば,それらの指導の順序として,どうしても「書くこと」の指導が最後になってしまいます。このことは当然ですが,最後になるということは,時間不足の場合は割愛してもよいということではないのです。「聞く,話す」の言語活動,読ませることの指導などは復習時に行うことが一般的ですが,それらを十分に行うと,どうしても時間が足りなくなります。書くことまで丁寧にやると,復習全体の時間だけで25分から30分かけてしまいます。これでは復習の活動の「書くこと」指導は省略せざるを得なくなります。このようなことはよく見られることです。
日本橋学館大学 下村勇三郎