本実践は、学校で激しい他害・パニック行動が頻発していたA児に対して、あえて積極的な介入を控える「引き算の支援」を中心とした関わりを通して、行動の大きな変容が見られた事例である。特別支援教育において、子どもに合わせて多様な手立てを講じることが重要とされているが、本実践では、視覚支援や構造化など、スタンダードな支援が通用しない子どもに対しても、アタッチメント理論の視点から受容的な関わりを行うことで、学校や教師が子どもにとって安心できる基盤となることを示した。これらの実践は、支援が特定の教師の力量に依存せず、学校全体・地域と共有しうる支援文化として根づく可能性を示唆している。
教師が「支援をしなければ」「やるべきことをやらせねば」という固定観念から脱却し、「信じて待つ支援」の立場をとることが教師の負担を軽減し、持続可能な特別支援教育の鍵であることを伝えることをめざした実践である。
千葉県市川市立平田小学校 蓑部さやか
A4判たて、8ページ