[本文より]英語の読みの指導において,pre-reading(読みの前の活動),while-reading(実際の読み),post-reading(読みの後の活動)の3つの段階に区切って,さまざまな活動を生徒に行わせることが最近多くなってきた。このような指導過程は,生徒の読みにたいする興味,関心を深め,効果のある指導方法である。しかしながら,生徒が実際に読む文章(テクスト)により注意を払い,自ら主体的にリーティングを行うような指導がもっと大切であるといえよう。
ここでは,テクストの構造に関心を向けさせるという視点から,文章のカプセル化(encapsulation)ということを軸に,中学3年生用のリーディング教材を例に取り,読みの指導を考えてみたい。
岩手大学教授 千々岩佳史