[本文より]中学校では平成14年度に絶対評価が導入され,今年で3年目を迎える。基礎的な学力の習得状況をみるには絶対評価が適していること,少子化でクラスや学年の規模が小さくなり,相対評価の客観性が確保できなくなりつつあることなどの理由により,評価方法が絶対評価に転換されたわけである。これは,成績によって生徒を序列化しがちな体質から学校が脱却することをめざしたものでもある。
絶対評価は,相対評価と異なり,学習目標(指導目標)や指導内容を学習者一人一人がどの程度身に付けたかを測ること目的としており,評価の前提として,学習目標や学習内容の十分な吟味が必要である。その結果,評価やテストについて英語教師の興味・関心が高まり,指導内容や指導計画などの見直しが進んだ。英語教育の課題が再認識され,議論され,英語教育の歴史の中で前例がないほどに評価についての意識が高まったといってよい。しかし,現状は問題がないかといえばそうでもない。
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福井県武生市武生第一中学校 八田秀樹