特集・これからの英語教育-わかる授業とわかりにくい授業
下村勇三郎(日本橋学館大学講師)
英語-教室の窓Vol.6(2006年1月発行)
[本文より]
生の授業は当然だが,ビデオによる授業でも,見てすぐ気づくことがある。感心する授業では,生徒がきちんとしている。教師と生徒の一人ひとりは目に見えない糸でしっかりとつながっている。生徒一人ひとりの動作・活動に一体感が見られ,とくに一斉に言う英語はそろって元気な声が出ている。生徒は喜びにあふれており,発することば(日本語でも英語でも)は,生き生きと自信に満ちている。このようなうらやましく思える生徒の姿は,大方,教師が作り出したものといってよい。教師の言動が生徒の一人ひとりに乗り移っているのである。このような生徒の授業態度を見ていると,見ているほうでも知らず知らずのうちに笑顔がこぼれる。時間のたつのも忘れて,自然とその雰囲気の中に吸い込まれていくのである。
日本橋学館大学講師 下村勇三郎