平成28年12月の中央教育審議会答申では,これまでの中・高等学校における外国語教育の課題として,文法・語彙等の知識がどれだけ身に付いたかという点に重点が置かれた授業が行われ,外国語によるコミュニケーション能力の育成を意識した取り組みが十分ではなかったことが指摘されています。新学習指導要領の「英語」の「2内容」(1)で述べられているように,英語の特徴やきまりに関する事項の指導に当たっては,「実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する」ことが重要です。英語学習における「定着」とは,「実際のコミュニケーションにおいて活用できる」ことであり,語彙や文法事項等を知識として記憶することではないということを,まずもって肝に銘じておく必要があります。
島根県教育庁隠岐教育事務所企画幹 渡部 正嗣