[本文より]2004年,ある地方紙の投書欄に,一人の高校生からの英語教育に対する意見が載った。それは,学校での英語の授業は実社会で役に立たないので,英語の授業全てが英会話の授業になればいいというものであった。この投書を読み,私にはこの生徒がかわいそうに思えてならなかった。英会話ができればそれでよしとする風潮に流され,英語を使う上で本当に大切なものは何かも知らされず,それを育てるような授業を受けたこともない。これはとても残念なことなのだと思う。
東北学院大学助教授 村野井仁