「技家Navi 第11号 特集:(技術分野)生成 A I (家庭分野)食とスポーツ(2023年秋冬号)より。ここ最近、技術の話題に事欠かない。生成 AI をはじめとした情報技術の急速な発展、それに伴うさまざまな分野での技術開発など、いろいろなトレンドが聞こえてくる。しかし、残念ながら日本ではないところで生み出されているものが多いように感じる。正直言ってうらやましい。我が国でも、技術イノベーションを生み出す人材を輩出したり、世界に影響を与えるような新技術が開発されたりしないものだろうか。そのような力を、中学校技術の授業で育てることはできないものかと考えているのだが、皆さんはいかがだろうか。なぜなら、現行の技術分野の学習指導要領では、このような人材や力を育成することをねらいとしているからだ。本稿では、説明の都合上、「①技術革新を牽引する力」、「②技術の発達を主体的に支える力」の順にそのねらいの詳細と、その育成を意識した授業づくりのポイントを解説していく。
国立教育政策研究所 教育課程調査官 渡邊茂一