(math connect「特集記事」)1人1台端末を活用した授業を教師が考えるうえで障害になるのが「べき論」である。計算は紙に書いてやるべき、自分の考えをしっかりつくってから友達と交流するべき、板書はノートに書き写して頭に入れるべきなどである。特に算数・数学の授業ではこの傾向が強いように感じる。たしかに、これまでの教室環境では、これらの学習方法が効果を上げたのかもしれない。また、それ以外に方法がなかったのかもしれない。しかし、GIGAスクール構想により教室環境が大きく変化した。デジタル環境の中にアナログがある教室では、これまでの「べき論」から脱却し、デジタルの可能性にも目を向けて授業をつくっていく必要がある。
常葉大学講師 三井一希