聴覚障がい児を対象としたカタカナ表記教材の活用

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会員実践事例  中 英語

公開日:2022年4月28日

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本校に通う生徒は全員、聴覚障がいのある子どもたちです。聞こえの状態は生徒によってさまざまではあるものの、英語の学習で必要不可欠である「音声」を十分に用いた学習には、大きなハードルがあります。ろう学校で授業を担当して4年目のある日、中学部3年生の女子生徒からこんな言葉を言われました。「先生、英語が楽しいです。ALTなどと英語で話をするのが大好きです」この生徒は、英語が特別得意なわけではないのですが、“I like English.” “My favorite color is pink.”などの1文程度の簡単な英語で、懸命に、そして楽しそうにコミュニケーションを図ろうという姿勢を授業の中で見せています。全国の聴覚障がい児の中には、聞こえに関して英語学習への大きなハードルがある中で、彼女のように、一生懸命ひたむきに学習に取り組む生徒が多くいると思います。彼らが、今後、より英語の学習に取り組みやすくなるためには、「音声」に代わる教材が必要不可欠であり、それが私たちが作成している「カタカナ表記教材」です。この教材があることにより、授業の中での使用はもちろん、生徒の自主学習にも役に立つものであり、生徒・教師の双方にとって、メリットの大きいものであると思います。今回は、この教材とその使用方法について、御紹介します。

福井県立ろう学校教諭 羽柴直弘

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