[本文より] 文部省は平成10年12月14日に中学校学習指導要領(平成元年文部省告示第25号)を改訂し,平成14年4月1日から施行するとし,その理科 第3.指導計画の作成と内容の取扱いの4にある各分野の指導で,観察,実験の過程での情報の検索,実験データの処理,実験の計測などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するよう配慮するものとする,とした。
これまで,コンピュータを活用する研究としては,ツールとしての利用(山内・日高,1994),植物検索プログラムの開発とその利用や植物データベースの作成とその利用(大川,1999など),遺伝に関するコンピュータソフトの開発(兼井・川上,1998),開発されたソフトの利用(松井,1990)というもので,メディアはCD-ROMやフロッピーディスクとすることが主であった。
ところが,近年インターネットの利用が急速に普及し,研究機関や教育現場だけでなく個人での利用が拡大した。インターネットが情報伝達手段としてこれまでの伝達手段より優れた面として,村井(1995)は「双方向性」「対等性」「日常性」をあげているが,さらに世界的規模で,時間に関わらず利用できるメリットを持つ。
インターネット上で公開されている教育分野の情報としては,アメリカを中心にしたものが多い。
日本でも,理科教育に関するWebページが紹介されるようになってきたが,教材として作成されたものは多くない。また,インターネットを取り入れた授業も中学・高校では少ないと思われる。
今回は,中学1年2分野のなかで,WWWを利用した授業を計画し行った内容を報告する。
神奈川大学附属中学校 松井均