教室の窓「小学校・中学校理科Vol.12」2008年1月作成
[本文より]
生徒は,理科で学習している内容が日常生活に関連していることをあまり意識してないようである。「身のまわりの物質」や「運動の規則性」など,自然の事象にはたらきかけて諸感覚を使って直接見聞きできることには,生徒も興味や関心をもって学習する。しかし,エネルギーや粒子など,科学の基本的な見方や概念に関する学習は,環境問題など実社会や実生活に直接かかわるにもかかわらず,苦手意識をもち興味を示さない傾向がある。だれもがかかわりをもっている「エネルギー」の指導では,エネルギーの概念を自然科学的な側面と社会科学的な側面から吟味して,指導計画を立てる必要がある。『エネルギー教育ガイドライン』がエネルギー環境教育情報センターから示されている(資料)。これは,「中学校 理科におけるエネルギー教育の内容」である。こうしたエネルギー教育の観点からも,第1分野の目標にある「自然を総合的に見ることができるようにする」ことができるように,エネルギーの概念を科学的に把握するための系統的な指導が必要である。
埼玉県川口市立戸塚中学校教諭 設楽敬一