「ニューサポート高校「書道」vol.17(2020年春号)」より。越前和紙には,古くから語り継がれる「紙の神様川上御前」伝説があります。この伝説は五世紀の半ばすぎ,継体天皇(450〜531)がまだ男大迹王(おおとのおう)と呼ばれ越前に住まわれていた頃と伝えます。往古の越前市周辺地域は,数多くの手末才伎(たなすえのてひと)=技術集団が渡来したハイテクの集積地,「ものづくり」先進地でした。渡来の紙漉きたちは,清らかな流れの水を求め,岡太川のほとりに住みつき,紙漉きにとりかかったと言われています。
福井県和紙工業協同組合理事長 石川浩