歴史を学ぶ、まして高校世界史のように外国史全般を全て扱うような場合には、一定地域について、その時間的な流れを俯瞰しうるような大きな枠組みを提示することが有効だと思います。地域・時代ごとに学習を進める際にも、その大きな枠組みを参照しつつ、常にいま世界史や中国史のどこを、いつを学んでいるかを念頭に置くことは歴史学習の一助となるでしょう。中国史研究では、1970年代に盛んであった佃戸に関わる論争以来、こうした課題を避けてきた気もしますが、クローチェ〔1866~1952〕が「歴史を思惟することは確かにこれを時代区分することである」と言うように、歴史を研究することは、すべて時代区分に繋がるのかもしれません。
本稿では、拙論「中国史の概括的理解のために」で示した概括的理解(時代区分)を、「世界史探究」を見据え、最新の中国史概説である渡辺信一郎先生の著書『中華の成立』(岩波新書2019年12月)で示された著者一同による概括的理解(時代区分)を参考に、再検討してみたいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和