新学習指導要領では,『話すこと』が「やり取り」と「発表」という2領域で示されている。「やり取り」の項目アでは「関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて即興で伝え合うことができるようにする。」とあり,「発表」では,同じくアの項目に「関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて即興で話すことができるようにする」とある。どちらも「即興」で伝え合ったり,「即興」で話したりする力をつけることが求められている。この「即興性」が今後の英語学習においてなぜ必要なのかということと,単数や複数の相手と「やり取り」をする場面や大勢の人に対して「発表」する場面を想定しながら,教室における日常での学習活動で,この即興性をどのように養えるのかということを考えてみたい。
鎌倉女子大学教授 鈴木浩之