[本文より] 日本科学教育学会の年会の中で開催された国際会議で,世界の理科教育の中での日本の特殊性がクローズアップされた。学校時代の理科の成績は良いが,成人の科学に対する理解度や関心は先進国の中で最低であることや,生徒の理科嫌いの割合が世界で最も高いことなどが話題になった。そのほとんどが,児童生徒の学力評価の国際比較で世界的に権威のある国際教育到達度評価学会(IEA)による第3回国際数学・理科教育調査(1995年)のデータに基づいての指摘であった。筆者は永年にわたってIEAの調査研究に携わってきたので,第3回国際数学・理科教育調査(1995年)のデータを以下に紹介する。
国立教育研究所 三宅征夫