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[特集 小中を通じた理科の構造化 新学習指導要領を見据えて]<論説-中学校>『中間まとめ』にみる中学校理科の構造化

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公開日:2008年02月07日
[特集 小中を通じた理科の構造化 新学習指導要領を見据えて]<論説-中学校>『中間まとめ』にみる中学校理科の構造化

教室の窓「小学校・中学校理科Vol.12」2008年1月作成

[本文より]

国立教育政策研究所の調査に,「食塩20gを水100gに溶かすと全体の質量はどうなりますか。また,その理由を説明しなさい。」という問題がある。この問題の正答は,もちろん,120gである。しかし,120gより小さくなると回答した生徒が多数みられ,理由まで正しく書けた生徒は約半数であったという。こうした調査の結果が意味するところは,「質量の保存」を学習したはずの生徒であっても知識・理解が十分でない生徒が多くみられることを示している。同様のことが「人体のしくみやはたらき」「植物の生活と種類」などにおいてもみられることが,各種の調査から指摘されてきた。こうした状況を受け,平成19年11月の『中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ(以下,中間まとめ)』では,理科の改善の基本方針として科学的な概念の理解など,基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図る観点から,「エネルギー」「粒子」,「生命」「地球」などの科学の基本的な見方や概念を柱として,内容の構造化を図る方向で改善するとされている。そこで,科学的思考力や科学に関する基本的な概念の育成をめざす中学校理科の構造化について,『中間まとめ』から考えてみたい。


埼玉大学教育学部教授 清水誠

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