[本文より]
年間指導計画の作成において,まず確認したいのは,教科の目標である。「中学校学習指導要領(平成10年12月)解説─理科編─」(平成11年9月,文部省)(以下,指導要領解説)に示されている教科の目標は,次の通りである。
「自然に対する関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。」
この目標は,次の4つのポイントに集約できる。(1)自然の事物・現象に対する関心を高めること。(2)目的意識をもった観察,実験などを行い,科学的に調べる能力と態度を育てること。(3)自然の事物・現象についての理解を深めること。(4)科学的な見方や考え方を養うこと。いうまでもなく,理科は,自然の事物・現象を学習の対象とする教科である。したがって,「自然の事物・現象に対する関心を高める」ことは,学習の意欲を喚起する点からも生徒の主体的な学習を促す点からも大切なことである。また,学習の進展につれて,自然への知見が深まるとともに,さらに,その先にある疑問に遭遇するというように,自然に対する関心は,理科学習の出発点であり最終のねらいでもある。
香川大学教育学部附属坂出中学校教諭 真鍋正史・石川恭広